記事更新2016年1月21日
NVIDIAから3DCG、CADや映像編集などのプロ向けアプリケーションに最適化されたグラフィックスカードの中でもエントリーレベルのNVIDIA Quadro K620 2GB を購入したのでレポートします。

新たにレノボ製ThinkStation P300 Tower(インテル Xeon プロセッサー E3-1271 v3 (最大4.00GHz)4コア、8スレッド+2TB SSHD(キャッシュ8GB)×2基搭載のストライピング(RAID 0)+16GBメモリ搭載)を購入して、Quadro K620と上位モデルQuadro K2200との比較レビュー検証しました。
続きは
こちらのページでご覧ください。
旧モデルNVIDIA Quadro K600 1GBより、CUDAコアプロセッサ数(194コアから384コア)とメモリ容量(1GBから2GB)がそれぞれ倍になりパフォーマンスも40%ほどアップしました。 
新たにGeForceシリーズで採用のNVIDIA GPU Boost機能を搭載していますので、GPUの作業負荷を自動的にモニターし、可能な場合は積極的にGPUのクロック速度を加速させます。
■
性能まとめと購入方法

↓ロープロファイル規格と、最大消費電力45Wにより補助電源なしで動作しますから、ワークステーションはもとより一般的なPCへの増設も可能です。(PCI Express 2.0 x16 インターフェース対応)

↓ディスプレイコネクタ 左はDisplayPort (1.2 対応) ×1 右はDualLink DVI-I × 1
最大画面数は4画面。
最大解像度 DisplayPort利用4K(3840 × 2160) / DP-DVI変換利用1920×1200
※4画面出力を行う場合はDP 1.2 マルチストリーム機能によるデイジーチェーン接続、もしくはDisplayPort HUBが必要となります。

↓外形寸法 幅161mm 高さ68.9mm 厚さ15.5mm 1スロット ロープロファイル規格準拠 (マウントブラケットのサイズ含まず)

↓レビュー動作ワークステーション HP Z400
クワッドコア インテル Xeon プロセッサー W3520(2.66GHz/8MB/1066MHz)
NVIDIA Quadro K620 2GB
12GBメモリ(メモリスロット6)DDR-3 SDRAM(1333Mhz、ECC、2GB×6)
2TBハードディスク/500GBセカンドハードディスク
DVDマルチドライブ

↓PCI Express 2.0 x16 インターフェースに設置。
画面トップ↑ 
↓
◆ハードウェアベンチマーク。
旧モデル
NVIDIA Quadro K600 1GBのスコア
6.8。

↓新モデル
NVIDIA Quadro K620 2GBのスコア
7.4と0.6ポイント大幅アップ。
◆アドビ製品デザイン、画像、動画、編集ベンチマーク◆ 
↓一眼レフカメラニコンD7100での高解像度JPGデータ(1コマ68M)124コマを
2分14秒でフォトショップCC版に取り込めました。
※
K600では
2分31秒ですので、メモリ容量2GBの効果が表れた好結果です。

↓約350Mのtif画像データ。

↓フォトショップ環境設定で、パフォーマンス→グラフィックスプロセッサー(
K620)を使うにチェックで拡張機能「ゆがみ」もスムースに行えた。
更にプレビュー時の拡大、縮小もマウスを左右に動かすだけで高速に動作しました。

↓アドビ映像編集ソフトPremiere Pro CC版でのエンコード作業。
440Mの動画データを、H264方式での
エンコード時間1分48秒。
※
K600では
1分50秒とわずかに2秒下回りました。
エンコード作業はCPUのマルチコア機能が性能に大きく左右しますので、同じCPUでのエンコードではあまり差がでない。

↓アドビIllustrator CC 2014年リリース版
最新版がリリースされた、Adobe Creative Cloud 2014年版の世界的なデザインソフトIllustrator CCで、指定されたGPUの利用によりプレビュー時の高速化が可能になりました。

↓Illustrator CC版での環境設定画面。NVIDIA Quadro K620 が選択されています。

↓約350Mのtif画像データを3200×5242に拡大して広大なワークスペースにリンク配置。
上記の様に非常に重いデータも指定されたGPU(NVIDIA Quadro K620)を利用する事で、プレビュー時の拡大、縮小もマウスを左右に動かすだけでスムースに動作しました。

↓新旧モデルの主な製品仕様
製品名 | Quadro K620 | Quadro K600 |
CUDAコア プロセッサ数 | 388コア | 192コア |
メモリ | 2GB DDR3 SDRAM | 1GB DDR3 SDRAM |
メモリインターフェース | 128bit | 128bit |
バス | PCI Express 2.0 x16 インターフェース | PCI Express 2.0 x16 インターフェース |
対応API | OpenGL 4.4~2.1 DirectX 11(Shader Model 5.0) DirectX 10.1~8.1 NVIDIA CUDA DirectCompute OpenCL API | OpenGL 4.3~2.1 DirectX 11(Shader Model 5.0) DirectX 10.1~8.1 NVIDIA CUDA DirectCompute OpenCL API |
最大消費電力 | 45W | 41W |
ディスプレイコネクタ | DualLink DVI-I × 1 DisplayPort (1.2 対応) ×1 | DualLink DVI-I × 1 DisplayPort (1.2 対応) ×1 |
出力画面数 | 最大4画面 *4画面出力を行う場合はDP 1.2 マルチストリーム機能によるデイジーチェーン接続、もしくはDisplayPort HUBが必要となります。 | 最大2画面 |
最大解像度 | DisplayPort 3840 × 2160 DP-DVI変換 1920 × 1200 | DisplayPort 3840 × 2160 DP-DVI変換 1920 × 1200 |
サポート機能 | NVIDIA FXAA / TXAA アンチ エイリアシング NVIDIA Quadro Mosaic テクノロジー NVIDIA Maximus テクノロジー NVIDIA High Definition Audio 機能 NVIDIA 3D Vision / 3D Vision Pro(オプション) HDMI 1.4aサポート | NVIDIA FXAA / TXAA アンチ エイリアシング NVIDIA Quadro Mosaic テクノロジー NVIDIA Maximus テクノロジー NVIDIA High Definition Audio 機能 NVIDIA 3D Vision / 3D Vision Pro(オプション) HDMI 1.4aサポート |
サポートアプリケーションベンダー | Autodesk, Adobe, AVEVA, AVID, Dassault, ANSYS FLUENT, Landmark, Lattice, PTC, RTT, Schlumberger, Siemens, UGS, Vizrt, 他120以上のアプリケーションベンダーの認証を取得 | Autodesk, Adobe, AVEVA, AVID, Dassault, ANSYS FLUENT, Landmark, Lattice, PTC, RTT, Schlumberger, Siemens, UGS, Vizrt, 他120以上のアプリケーションベンダーの認証を取得 |
動作CPU | Intel Xeon / Core i シリーズ もしくはAMD Phenom / Opteron 以上の CPUを搭載した DOS/V PC及びワークステーション | Intel Xeon / Core i シリーズ もしくはAMD Phenom / Opteron 以上の CPUを搭載した DOS/V PC及びワークステーション |
NVIDIA Quadro K620 2GBの性能まとめ
NVIDIA Quadro K620 2GBは、3DCG、CADや映像編集などのプロ向けアプリケーションに最適化されたエントリーレベルのグラフィックスカードになりますが、レビュー記事にも紹介したグラフィックデザイナーにも使ってほしいGPUになります。
アドビIllustrator CC 2014年リリース版がリリースされ、Adobe Creative Cloud 2014年版の世界的なデザインソフトIllustrator CCで、指定されたGPUの利用によりプレビュー時の高速化が可能になりました。
↓Illustrator CC版でのGPUパフォーマンスの対応ビデオカード一覧。
※最新の対応ビデオカードドライバーが必要になります。

今までのIllustrator CS6、CC版ではプレビュー時にCPUのパワーだけで行っていたプレビュー機能が、2014年版リリースからは指定されたGPUにより高速でスムースなプレビューが行えるようになりました。この機能はフォトショップ CC2014年版でも同様なプレビュー機能が利用できます。
更に、大判インクジェット出力などに使用する、広大なデータ量の配置画像をIllustratorに取り込みデザインレイアウト時にもこのGPUパワーが発揮できスムースにプレビューが行えました。
新しいNVIDIA Quadro K620はCUDAコア プロセッサ数が倍の388コアに増え、更にメモリも倍の2GBにグレードアップしました。
K600との比較でも、高解像度JPGデータ(1コマ68M)124コマを2分14秒でフォトショップに取込め、K600の2分31秒より17秒早く取り込めました。メモリ2GBの効果が表れています。
新たにGeForceシリーズで採用のNVIDIA GPU Boost機能を搭載していますので、GPUの作業負荷を自動的にモニターし、可能な場合は積極的にGPUのクロック速度を加速させます。
アドビ映像編集ソフトPremiere Pro CC版でのエンコード作業では、440Mの動画データを、H264方式でのエンコード時間1分48秒。K600が1分50秒とほぼ互角になりました。エンコード作業ではCPUの性能とマルチコア数が大きく左右するので、この結果になりました。
各アプリケーション(Illustrator、Photoshop、、Premiere Pro)の起動時間も若干ですが、2秒前後早くなりました。
NVIDIA Quadro K620は、プロフェッショナル用グラフィックスの中ではエントリーレベルのGPUですが、今回紹介したアドビ製品(Illustrator、Photoshop、、Premiere Pro)での使用には十分対応できるグラフィックスカードになります。
又、設定可能なPCレベルはワークステーションから、一般的なデスクトップPCまで幅広く対応でき、特にCPU内蔵グラフィックスで作業していたデザイナー等には、このK620搭載で相当なパワーアップになります。
価格は旧モデルK600が最安16,000円前後、K620が23,000円位になります。価格差では7,000円位の差がありますが性能的な面を考慮すればけして高くはないと思われます。
今現在この8月発売のK620を搭載ワークステーションはナショナルブランドでは未対応ですが、BTOメーカーのドスパラでは早くも搭載PCが発売されています。
※単体でボードでの販売を開始しました。
単体ボードの購入はこちらから 
搭載PCの購入は
こちらから
画面トップ↑
- 関連記事
-